「SFマガジン」2017年4月号に短篇SFが載ります

2月25日発売の「SFマガジン」2017年4月号(早川書房)に短篇SFを寄稿しました。「SFマガジン」に原稿をお渡しするのは、「リリエンタールの末裔」(2011年) 以来なので6年ぶりです。発売は二週間先ですが、該当号のデータは下記に。

(早川書房のサイト)
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013476/date_2017_02/page1/order/

オーシャンクロニクル・シリーズ「ルーシィ篇」の最初のエピソードを書きました。400字詰め原稿用紙換算で50枚。3年ぶりのシリーズ再開なので、物語のふり返りも含めて、のんびりとした優しい雰囲気で始めています。

定期連載として始まるのではなく、不定期に、短篇・中篇を発表する予定です。最終的には、これらが各篇ごとに一冊ずつまとまり、書き下ろし分も含めて本になります。雑誌掲載の特徴は、これぐらいの枚数だと、毎回2枚ずつほど挿画がつくことです。オーシャンクロニクル・シリーズの世界を「画」として見たいという方は多いと思うのですが(著者である私自身もそうです)挿画は、その一助となってくれることでしょう。

計算上は、あと5冊ぐらいでシリーズ全体が終了。一冊あたりの枚数は原稿用紙換算で500~600枚ぐらいを予定。各篇それぞれに、文庫化したときに単巻で収まる程度の「あまり長くない本」として考えています。私の頭の中では、「ルーシィ篇」「マイーシャ篇」「単発エピソードの短・中篇集(できれば、これは2冊分出したい)」が、ひとかたまりのイメージとして存在しているので、当面はこの三篇の執筆完遂が目標です。短篇・中篇をこつこつと積みあげていく手法は非常に手間がかかりますが、複雑な世界や物事の全貌を、多角的に表現するには最も相応しい手段でしょう。「NODE篇」に関しては、発表時期や発表方法などを、他とは少し分けて考えるつもりです。

私の中にあるシリーズ全体の構造は、中核となるふたつの長編が真ん中にあり、その周囲を、たくさんの短編と中編が、輝くかけらのように取り囲んでいるイメージです。その全体像を愛でて下さる方もいれば、長編だけが好きだという方も、短編だけが好きだという方もおられるでしょう。それでよいのだと思います。年代記モノですから、好きなところだけつまんで頂くという方法も有りです。

雑誌掲載の目処は立ちましたが、他社・他作品の連載や書き下ろしと並行して執筆しているので、進行はあまり早くありません。一冊の本の形になるまではまだ時間がかかりますが、引き続き、よろしくお願い致します。